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大澤氏作 渋紙コーンFE-206Σ改+長岡式D-50改バックロードホーン (2005.7.7)

 大澤さんにFE-206Σ(16Ω)をベースにしたユニットの改造をお願いしたら、渋紙と和紙を貼り合わせたコーン紙と、不織布を使ったフリーエッジの ものが完成しました(2005年3月)。 しかしながら、低音が不足していたため、エッジを変更したり、サブコーンを付けたりして少しずつ改造して、好みの音に変えてみまし た。その経緯を紹介します。
 ユニットは、長岡式D-50改バックロードホーンスピーカーに取付けて使用しています。

1.大澤氏作不織布エッジ+センターキャップ(小)付

(1)不織布エッジ

(2)不織布エッジ・塗布剤1回塗り

(3)不織布エッジ・塗布剤2回塗り
2.和紙エッジに変更・サブコーンを追加 (キャップなし)
3.まとめ

1.大澤氏作不織布エッジ+センターキャップ(小)付
(1)不織布エッジ
 大澤さんに作って頂いたユニットです。不織布のエッジでコーン紙は張り合わせてあるそうです。ユニット単体のf0は29Hz、Q0は約 0.2です(ここのサイトの計算式を使わせて頂きました)。D-50バックロードホーンに取り付けて音出ししてみると、低音の量感が足りません。インピーダンスを測定してみると、ホーンロードが掛かっていないようです。






(2)不織布エッジ・塗布剤1回塗り
 D-50に取り付けたときの特性が変なので、大澤さんと相談してエッジにコイズミ無線で売っているエッジ塗布剤を 塗ってみました。木工用のボンドのような感じのアクリル樹脂系のエマルジョンだそうです。塗った時は白いのですが、しばらくすると乾いてきて写真(約20 分後)のようになってきます。
 この時点で、低音の量感がぐっと増します。1日くらい乾かしてからインピーダンス特性を測ってみると、バックロードホーンらしいインピーダンス特性に なっています。しかし、ユニット単体のfoが42Hzと高くなってしまいました。





(3)不織布エッジ・塗布剤2回塗り
  さらに、もう一度塗布したときのインピーダンス特性が下図です。ピークの形が若干綺麗になりました。しかしながら出てくる音は、 エッジの制動が強すぎるようで押さえつけられたような感じになってしまいました。




2.和紙エッジに変更・サブコーン追加 2005年4月
 不織布エッジだとどうも低音が出ないし、エッジ塗布剤を塗ると音が詰まった感じになるので、エッジを和紙に変更することにしました。また、高音を少し延 ばすためにサブコーンを付けました。サブコーンの角度は、大澤さんの独断と偏見で開き角度を60°にしています。ユニットのf0は38.6Hz(このときの測定から、秋月キットの4・1/2桁周波数カウンターを使ったので、0.1Hzまで測定できるようになりました。)、その時の インピーダンスは742Ωと高い値を示しています。Q0は約0.35でした。
 D-50に取り付けたときに出てくる音は、抑制が効いていながら細かい音もよく聞こえます。伊勢型紙 渋紙コーンのユニットに比較すると低音の量感が増 えます。 どちらかというと、市販のユニットに近い音でしょうか。 インピーダンス特性は、バックロードホーンの傾向をよく示しています。





3.まとめ
 エッジを変えてもf0が30~45Hzと高めの値になることから、渋紙と和紙を貼り合わせているコーン紙の影響が出ているものと思われます。改造してい ないオリジナルのユニットはf0が45Hz付近にあるようですから、データ上の低音特性はオリジナルに近いと思われますが、出てくる音は全然違います。  特に、和紙エッジとサブコーンを付けたものは、細かい音が聞こえますし、低音が非常に豊かです。
 また、このユニットを含めて、今まで測定してきた和紙エッジを使ったユニット(伊勢型紙渋紙コーンのFE-206S改、形状は違うが同じコーン紙のFW-200改)はf0でのインピーダンスが高い傾向があります。和紙の軽さと、動きやすさが効いているようです。


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