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スーパーウーハーの製作  (2007年8月製作)

はじめに
 オーディオを趣味にしていると、超低音にあこがれます。メインのスピーカーであるD-50改は、50Hzくらいまでは再生できますが、それ以下はバックロードホーンといいうこともあり、急激にレベルが低下します。そこで、スーパーウーハーに挑戦してみることにしました。使用するユニットは、松下のEAS-38PL60です。ヤフオクでたまたま落札できたものです。
 部屋が狭いので、大きな箱は置くことができません。また、2個も置く場所がないので、1個で済ませることにします。

設計
 箱は1個作りますから、EAS-38PL60を1個だけ取りつけてもいいのですが、ユニットは2個あります。そこで、箱の両面に2個取りつけ、互いの振動をキャンセルするような構造にします。下の図では、前面にだけに穴が書いてありますが、背面にも同じ穴を開けます。右横の穴には、スピーカー端子を付けます。少し出っ張るので、外側にも保護用の板を貼りつけます。使用する板は、21mm厚みの合板です。
 板取りは、サブロク板2枚に納めます。大きさを調整しながら、試行錯誤して決定しました。




材料の調達
 合板はホームセンターで調達することになりますが、意外と目的の合板が置いていません。このため、例によってひたちなか市のジョイフル本田で買いました。 ついでに、裁断もしてもらいます。ジョイフル本田の裁断は正確ですので、組み立てが楽に行えます。 木工ボンド、38mmの木ねじ、水性ニス、空気漏れ防止用のウレタンヒモ、鬼目ナット、ボルトなども買い込みます。
 スピーカー端子は、ヤフオクで落札したものを使いました。

寸法書きと穴開け
 構造が簡単なのでそれほど迷うことはないのですが、板の接合位置、鬼目ナットの取付け位置は正確に書き込んでおきます。
 これが終わったら、ジグソーでスピーカ用の穴と、端子取り付け用の穴を開けます。次に、ドリルで木ねじ用の穴を開けます。木ねじを締め込む側には、ザグリを入れて少し凹ませておきます。こうしないと、 反対側の板からの盛り上がりが邪魔をして、板と板の密着性が悪くなります。

スピーカ取付け穴を開け、鬼目ナットを取り付けたところ


スピーカ端子取り付け部


組み立ての様子
前後に取りつけるユニットの振動を打ち消すため、前後のバッフル板の連結を強めるようにしました。
このため、補強板を多めに入れています。特に上下の補強板は、二枚重ねです。
 

 

 



塗装開始
なお、前後面に貼りつけた2枚の板は、カバーを取り付けるためのものです。
でも、箱を運ぶ時に便利なので、手を掛ける場所という意味合いが強いです。
 

インピーダンス補正用の抵抗とコンデンサを作り、端子にハンダ付け
インピーダンス補正は、6.8μF4個パラ(約27μF)と10Ωです。
 

グラスウールを詰め込みます。
 

密閉型なので、多めに入れます。


空気漏れを防ぐため、ウレタンのヒモを貼りつけます。
 

片側のユニットはセンターキャップがありませんでした。そこで、伊勢型紙渋紙でコーンを作り、貼りつけます。
 

音出し中


インピーダンス特性
 EAS-38PL60単体のf0は、22Hz付近です。これを箱に入れ、片側のユニットを駆動し、もう一方をショートしたときと、オープンのままにしたときではインピーダンスカーブに差が出ます。2個を並列に接続し、対称動作(プラスの信号を入れた時、両方とも前に出るようにセット)させると、f0は50Hz付近になります。


出てきた音
 カットオフ周波数約40Hzで、36dB/octのフィルターを接続し、音出ししてみました。f0よりも低い領域を使うので、アンプのレベルはかなり上げた状態になります。発振器の信号を入れて音量を確認してみたところ、箱の容積が小さいので、20Hzの再生は無理のようです、30Hzあたりまではなんとか再生できるレベルです。

 音楽を再生してみると、威力は抜群です。鬼太鼓座の「弓ヶ浜」は、会場の空間感がよく出て体に振動が伝わってきます。音というよりは、耳を塞がれるような圧迫感です。 カウボーイ・ジャンキーズのCD「トリニティセッション」では、床を踏む超低音が分かります。超低音の入っている曲は、効果が大きいです。

  しかし、古い録音とか、普段聴いている曲では、効果のあるものは少ないです。昔の録音は、アナログレコードに信号を刻むことを考えていたせいか、超低音は入っていないものが多いようです。ですから、普段は再生できる状態にしていても、スーパーウーハーからほとんど音が出ることはありません。

(2009年9月)
 最近、YouTubeで、平原綾香と岩崎宏美が一緒に歌っているjupiterを聴いたのですが、これは超低音が入っています。他にもいくつか聴いてみたのですが、 ライブ録音には、超低音が入っているものがあります。こういう曲ではスーパーウーハーを使うと臨揚感が増して、気持よく聴くことができます。


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